mintonsとは、ホリユウキが始めたソロプロジェクトの名前です。「みんとんず」とお読みください。音にするとグループの名前みたいですが、あくまでホリが個人的に活動する際に使う名前です。劇団でもユニットでもありません。

「文化系によるストリートの演劇」という言葉が胸にあります。

お金も設備が整った場所もないけれど、広場や公園やあるいは街角で、最低限の道具を使って”真剣に遊ぶ”。そんな時に生まれるであろうスリルや喜びを演劇でも生み出せないだろうか。演劇というものも、大きなお金を準備しなくたって、技術とセンスを鍛え上げる気持ちさえあればどんな人でも飛び込んでいける、同時にそれを観る人にとってもお金の負担が少なく、そして観てしまったらそれについて何か話さずにはいられなくなる、そんな芸術になりえないだろうか。

小さな空間で良い。装飾もなくて良い。ただただその時・その場でしか起こりえない俳優同士の切実でヒリヒリとしたやり取りさえあればそれで良い。その俳優間に起こるものをよりソリッドにするための演出があればなおのこと良い。身体と身体の、言葉と言葉の摩擦が生むスリルにとにかくフォーカスした演劇。そして超真剣な遊びとしての演劇。

それを「ストリートの演劇」と呼んでみてはどうだろうか。悪くないんじゃないか。でも僕はストリートカルチャーに憧れの眼差しを向けることはあれど、その真っ只中の人間ではないからちょっと注釈を入れて、「文化系によるストリートの演劇」。そんな言葉を作ってみました。

興味を持ってもらえたら嬉しいです。どうかよろしくお願いします。


ちなみにmintonsという名前は、ニューヨークの伝説的ジャズクラブ「ミントンズ・プレイハウス(Minton’s Playhouse)」に由来しています。1940年代、夜な夜なこのお店にチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピー、セロニアス・モンクといったジャズミュージシャンたちが集まり、セッションを繰り広げた結果、ビバップと呼ばれるその後のジャズの歴史を一変させるスタイルが生まれたと言われています。実験と実践の、そしてプレイヤーたち主体のインディペンデントな場としての憧れから、この名前を頂きました。


※ここでの「ストリートの演劇」とは路上パフォーマンスを意味しませんので、ご注意ください。主に屋根のあるところでの活動を予定しています。

※「ストリートの演劇」と言っていますが、ブレイキンやラップ、グラフィティが必ずしも劇中に登場するわけではありません。むしろ登場しない確率が九割五分を超えています。ご了承ください。

『温室の前』より
2023年10月6日(金)〜8日(日) SCOOLにて
撮影:山内ひかる